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建築手法

安藤忠雄
GA 2005

国民的建築家安藤忠雄インタビュー集の決定版である。聞き手の二川幸男さんのシャープなつっこみと分析が素晴らしい。

安藤忠雄建築で一番行ってみたいのが、淡路島の真言宗本福寺水御堂である。お寺の屋根がフラットで蓮池になっていて、その中に階段ではいってゆくという建築である。そのときのクライアントとのエピソードが興味深い。住職や檀家が全てその案に反対したという。なぜその案が通ったのかは、是非読んでいただきたい。

本書はいままででた安藤忠雄インタビュー集の決定版ともいえる。

技術的なレベルアップ、歴史や未来に対する知的教養と、今を生きている知力、体力を常に鍛え、走り続けていかないと、すぐに息切れしてしまう。 (中略)建築家に定年はないのに、多くの建築家がリタイアしていくのは、この鍛錬をどこかで怠っていたからではないしょうか。

プロとして緊張して継続していくことの厳しさが伝わってくる。
よく安藤忠雄はルイス・カーンやノグチイサムの例をだす。
ルイス・カーンが実質的なデビュー作「イェール・アートギャラリー」(1953)をつくったのは、50歳のとき。それまで戦争と不況に耐えながらスタディを積み重ねてきたという。50歳までの蓄積が開花した。以降、カーンは死の直前まで、建築を考え続けた。

よく30歳を過ぎると覚えが悪くなるという。多くの人は、そのあたりを境に勉強することをやめてしまう。実際に瞬発的な記憶力は悪くなるのかもしれない。しかし、実際は、30歳を過ぎると情熱や緊張感をなくしてしまい覚えが悪くなるのである。量や反復、失敗などの志向錯誤、努力、執念が圧倒的に足らないのである。

若い人の多くは、学校を離れるとあまり<勉強>しようとしないんですね。本当の意味での<勉強>をですよ。日常の繰り返しの中に埋没していってしまう。けれど、そういう姿勢では、建築でずっと走りきることはできないんです。

この言葉はすべての制作に携わるひとに響く。ものづくりをしたい人、している人になら共感できる一冊である。ピュアな建築と安藤のドロドロした体力勝負の考えが表裏一体だとことを知る恐い本である。

安藤忠雄建築手法
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2005年10月23日

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